◆ミサ資料 広報への投稿より◆
広報楽楽第219号より
シューベルト ミサ曲 2番 ト長調 D167 について( 引用 ネットから )
作曲 1815 年 3月 2日~ 7日( 18 才) 初演 1815 年 リヒテンタール協会
編成 ソプラノ、テールバスの独唱混声 4部合唱、弦楽
詳しい作曲動機はわかってません。
リヒテンタール協会での第1番D167の初演が大成功だったため、その第2弾として作曲、
演奏されたものでしょう。
たった5日間で完成されました。コンヴィクトを退学し、父の学校で助教員として働き
始めたころですが、きわめてたくさんの作品を書き上げた時期で、この作品にも意欲的
であったことの現われと思います。
シューベルトのミサ曲の中で最も規模が小さいもので、ソプラノ、テノール、バスの
独唱に、混声四部合唱、弦にオルガンという編成でかかれました。
のちに兄のフェルディナントによってトランペットとティンパニのパートが書き加え
られたようです。
第1曲 Kyrie ト長調 4分の3拍子 三部形式で書かれています。
「主よ、憐れみたまえ(Kyrie eleison)」と美しくやさしく混声合唱が歌いだします。
中間部はイ短調で、ソプラノの独唱で歌われます。
第2曲 Gloria 「Gloria」とは栄光の賛歌を意味します。三部形式で書かれています。
オーケストラのニ長調の明るく堂々とした音階と和音連打により始まり、コーラスが
「Gloria in excelsis deo(天のいと高きところには)」と華やかに歌われ出します。
中間部では曲調が落ち着き、「Domine Deus, Agnus Dei(神なる主 神の子羊)」と
下降するフレーズが、ソプラノとバスの独唱によりリフレインされながら、それに対し
コーラスが「miserere nobis(われらを憐れみたまえ)」と返します。
再び冒頭の華やかさが戻り、オーケストラが音階を低高弦で交互に繰り返す華やかな
効果を織り込みながら、幾分短めに曲は閉じます。
第3曲 Credo
「Credoクレド」とは、信仰の告白を意味するものです。
キリスト教の主要な教義を列挙した祈りとなっています。
4分音符のかろやかなバスの動きにのり、コーラスが起伏の少ない穏やかな旋律を歌
いだします。なかごろで高潮し、「Et ascendit in caelum(天に昇り)」のあたりで
クライマックスとなります。
そして頭の部分がもどり、終結部では穏やかに「Amen」と締めくくります。
第4曲 Sanctus
天地の創造者、支配者、人類の創造者、庇護者である神に感謝し、その威光を讃えて
歌う「Sanctus」サンクトゥスです。
Adagioの力強い響きの中に「聖なるかな(Sanctus)、聖なるかな、聖なるかな。
万軍の神なる主。主の栄光は天地に満つ」と歌い上げます。
そしてAllegroになり、「いと高きところに、Hosanna」と各声部が掛け合いをし、
フーガの始まりのように歌い上げられ、短いながらも華やかに曲を閉じます。
第5曲 Benedictus
Benedictusは「祝福」を意味します。アンダンテ・グラジオーソのやさしい表情で始まり
ます。最初にソプラノが歌い、テノールとの二重唱となり、バスとの三重唱となります。
シューベルトらしさのあふれる曲です。
後半はSanctusのフーガ的な部分が受け継ぎ、華やかに終わります。
第6曲 Agnus Dei
「Agnus Dei」は神の子羊という意味です。
ミサの典礼においては、司祭と祈りに来た人との間に「主は皆さんと共に」のあいさつが
あったあとで歌われる。曲調はホ短調で、美しくソプラノで歌われ、コーラスが呼応します。
間奏のあと、同じ旋律をバスが、引き継ぎ、やはりコーラスの呼応のあと、オーケストラの短い間奏をはさみ、再びソプラノとコーラスの呼応のあと、ト長調でおだやかに全曲を閉じます